花火と冒険

横須賀までは車でずいぶんかかった。
途中で渋滞に引っかかったりして、間に合うか心配だった。


駐車場はどこもいっぱいで、どんどん打ち上げ会場から離れていってしまった。


でも、車を止めて歩いていたら、ちょうどいい公園があった。
真正面ではないけれど、大きい花火であればとても綺麗に見れた。


ズドーンッと腹に響く、花火が爆発する音は気持ちがいい。


帰り道もまた渋滞につかまってしまった。
一緒に行った友達は結構遠くから来ていた。
あまり急ぐのもいやだし、土曜日なので、終電は気にせず、横浜の大桟橋の近くにあるカフェで一休みすることにした。
大好きなロール・キャベツを注文した。
取皿が無かったから、思い切って一口で食べたら、口の中をやけどしてしまった。
口の中を冷やすためにチチというカクテルを流し込んだ。


友達が、ここの店のチチはパイナップルジュールの変わりにリキュールを使ってるんだっ言っていた。
だから、結構きついとも言っていた。


でも、僕にはそんな強いようには思えなかった。


友達をはるばる家まで送って、自分の家に帰る。
帰り道、一人で車を飛ばしている。
明け方の道路には、車も人も少ない。
ちょっとした非日常だ。


いつの間にか眠気も吹き飛んで、とてもすがすがしい気分だ。
今日運転をしながら考えていたことを忘れないように、心のかなで繰り返し声に出す。
障害物をよけるようにして、前の車を追い越して、黄色い信号を飛び越えて、出来るだけスピードを殺さないように、ブレーキングに細心の注意を払ってカーブを曲がる。


そうやって、僕は自由を謳歌した。